カラスの子供は飛べないまま巣立つ?ヒナが落ちていた時の対策

カラスの子供は飛べないまま巣立ちの時を迎えることがあります。道端などに飛べないヒナが落ちている光景に出くわしてしまうこともありますが、その時は一体どうしたらいいのでしょうか?

落ちて傷ついたヒナは助けるべき?助ける時の注意点は何?

そこで今回は、カラスの子供が飛べずに落ちている時にできる対策についてお伝えします!

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カラスの子供は飛べない状態で巣立ちすることもある

「鳥の雛が巣立つのは飛べるようになってから」それが当たり前だと思いますよね?

 カラスの子供を見つけた時

カラスはまだ完全に飛べない状態で巣立ちを迎えるのです。ある程度羽ばたきができるようになると巣から出て地面に降り立ち、そこから徐々に飛べるようになっていきます。

この時に「雛が巣から落ちている」と間違えて保護しようとすると、近くで見守っていた親ガラスが雛を守ろうとして襲ってきます。周囲を見回して親カラスの姿が見あたらなかったとしても、人間を警戒して姿を隠していることもあり、雛が危険だと察知すると急に現れて襲い掛かる場合もあるのです。

地面にいるカラスの子供が一見弱っているように見えても、巣立ちを促すために親ガラスがあえて餌を少なく与えていることもあるので、カラスの子供を見つけてもむやみに保護するのはやめましょう。

飛べないカラスの子供は落ちて傷つくこともある

カラスの子供は完全に飛べる状態になる前に巣立ちをするため、巣から地面に下りるときに怪我をしてしまう可能性もあります。

また、狐などの野生動物や猫などに襲われてケガをしてしまうこともあるでしょう。

カラスの子供が怪我などで本当に保護を必要としている場合

保護・治療してそのまま飼うことはできるのでしょうか?

実は、カラスをはじめとして野生動物をペットとして飼うことは鳥獣保護法(鳥獣保護管理法)で禁止されています。ケガや病気でやむを得ず保護する場合も、元気になったら野生に戻さなければなりません。

また、保護する場合でも飼育環境や飼育経験、餌や病気に関する知識が無ければ難しいことも多いのです。

カラスの子供を保護するかどうかは状況を見定めて、慎重に対処しましょう。

飛べないカラスの子供を保護した時は

カラスの子供に応急的な栄養補給

保護が必要なカラスの子供には、餌よりもまず水を与えるようにしてください。新鮮な水か生理食塩水を人肌よりもやや高い温度に温め、スポイトを使って1~2滴与えます。スポイトが無い場合は、箸の先に水を付けくちばしに当ててやると自分で舐め取ります。

餌が食べられない場合も、水分は2時間置き程度に与えます。すぐに回復できないと判断したら早めに動物病院に連れて行きましょう。

カラスに餌を食べさせる場合

虫を餌として与える場合は、先の丸いピンセットを使って与えてください。

すり餌などの人工的な餌や練った卵などの場合は専用の給餌器を使うか、無ければ斜めに切ったストローの先を丸めくしてスプーン状にしたものを使います。餌をすくい取り、喉の奥の方に差し込むと飲み込むように食べ始めます。

この時、差込み過ぎないよう気をつけましょう。

鳥は首元のすぐしたあたりに人間の胃袋にあたる「そのう」があります。餌を食べると「そのう」が膨らむので、それを確認して給餌を中止します。食べさせ過ぎると破裂のおそれがあるので気をつけてください。

膨らんだ「そのう」が小さくなったら、また餌を与えましょう。

見つけたカラスの子供は巣立ちヒナの可能性も!

地面にいるカラスの子供は、弱々しく見えても、巣立ちをしてこれから一人前になろうと頑張っている可能性が高いのです。

先に生まれて充分に成長したカラスの子供が巣立ちのために巣を飛び出します。そんな兄弟に釣られて巣から転がり出してしまったり、数日遅れでチャレンジするカラスの子供もいるでしょう。

やっと飛べる、もしくはあまり飛べなくてもカラスの子供はこうして巣立ちを迎えます。

親カラスが側にいるかどうかはおかまいなしに飛び出してしまうので、あちこちに雛が散らばってしまうこともあります。

まだ自分で餌をとれない子供たちのために、親ガラスは餌を探し、戻って子供を探し当てて子育てを続けます。

雛をおいそれと保護してしまっては、こんな親ガラスの努力も水の泡。自然の中で生きるカラスたちは、こうして人間の手を借りずとも力強く生きています。

もし地面にいるカラスの子供を見つけても、ケガをしていなければ親カラスに任せておくのが基本です。

鳥のヒナが落ちていたら触ってはいけないって本当?

人に慣れていない動物の中には、子供に人間の臭いがつくと育児を放棄したり命を奪ったりしてしまうケースがあります。

しかし、カラスなど鳥類の場合は嗅覚がそれほど発達していないため、人間の臭いを嗅ぎ分けるほどの能力はありません。
(※コンドルやアホウドリなど一部の鳥類に嗅覚が優れたものもいます。)

たとえ人間の臭いを区別したとしても、そこから危険を察知して育児放棄してしまうことはほとんどありません。

カラスをはじめとする鳥たちは子供を育てるために、多くの時間と労力を費やします。卵を生む前や、孵化する前の巣が攻撃された場合は安全な場所に巣を作り直すこともありますが、雛が生まれたら巣立ちのときまでは必死になって育てます。

ただ、ここまでの説明にあるように、多くのカラスの子供は保護を必要としないことも多いので、安易に触れることは避けましょう。